そのあと、近くの公園に行っていっせいにとばしっこをした。
これが実によく飛ぶ。10メートルはあろうかという大木の上の方に引っかかってとれなくなってしまったものも出たくらいである。
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「かるさん」はポルトガル語の軽袗です。モンペの一種です。戦国のころ、ポルトガル人によって将来されました。当時の絵図で見るとモンペよりも仕立てがふっくらとしてなんとなく典雅です。……近江の安土城下に所在した学問所の門前にあった屋敷には、いつも軽袗をはいた人たちがいて、それで「かるさん屋敷」と呼ばれていた。
井伏氏の豊かな詩情のうちにユーモアとペーソスをたたえた独自の作風はすでに定評のあるところで「かるさん屋敷」は戦国時代安土城下のセミナリオに材をとり、当時信長が全国から集めたキリシタン学とのはつらつたる姿を描き、恋と夢と冒険にみちた青春物語です。
復活祭の歌
きのふの夜、まことの太陽、クリストスは蘇られた。
そこからまた蘇ったのは、主の畠の不可思議な穫入れ。
いまや野を一面に、真紅の花の間を蜜蜂の群が、
唸りをあげ飛び交しては、楽しい仕事に蜜を集める。
一方、いろんな鳥どもは、今しも空を、歌ごゑをもて
和ますと、一夜さ中、いま鶯は曲(ふし)をしらべる。
今しも、御堂(みどう)のなかでは、歌団(うたむら)が、
声を合わせてシオンを頌へ(たたえ)、
アレルイアと千度も、調子を取って歌ひあげる。
タドゥーさま、教会の父よ、復活祭の悦びをなにとぞお受けを、
当然のほまれとして、この光明の閾(しきい)に立って、ご機嫌よく。