今、聖心女子大学にいって「キリスト教学」の講義を担当している。正規の講師の先生が産休をとっていて、その代用として5回の講義を担当することになった。
正規の「キリスト教学」では、「宗教と音楽」というテーマでグレゴリアンやバッハからテゼーの音楽までを聞かせながら講義をするというスタイルであったのだが、私にはそれはできないので「宗教音楽」とは切っても切れない関係にある「祈りとミサ」というテーマで行うことにした。
1回目の講義(5月18日)は、日本人の祈りを考えながら「祈りとは何か」ということを考えた。
「日本人はどういうときに祈るか?」という問いに始まり、「日本人は何を祈るのか」「祈りのスタイルとツール」を受講している学生たちに次々に応えを出してもらった。
そして最後に「祈りの方法と種類」をあげて終わった。
2回目の講義(5月25日)では、「祈りの実習」と称して、いくつかの祈りのエクササイズをした。
その1として行ったのが、これから紹介する「念力サイコロのエクササイズ」である。
その2も「念力パワーのエクササイズ」
その3は「1分間エクササイズ」
その4は「瞑想とawareness exercise」
学生たちはけっこう楽しんでいたようである。
さてその「念力サイコロのエクササイズ」である。
この授業のために先ずサイコロを人数分そろえた。受講生は70人だからその数のサイコロをそろえた。幸い100円ショップで4個入ったものが見つかったが、それでも数をそろえられなかったので、いくつかの100円ショップを探し回った。
それから記入用紙を作った。
その記入用紙とサイコロを配って、こう説明した。
「1が出るように念じながらサイコロを100回ふって出た目を記入用紙に記入してください。その記入用紙は回収して統計を取ります。はたして念力パワーは存在するのか、これは実験です」
さて、その結果は次の通りになった。この実験に参加した人は全部で64人だったので、サイコロを振った合計は6400回ということになる。
1のでた回数(%) 1140(17.81%)
2のでた回数(%) 1070(16.72%)
3のでた回数(%) 1058(16.53%)
4のでた回数(%) 1016(15.88%)
5のでた回数(%) 1028(16.06%)
6のでた回数(%) 1075(16.8%)
う〜ん、微妙な結果になった。たしかに1のでる率は他のものに比べると高い。けれどこれは有意差をもっているのかどうか、微妙である。
もっと回数を多くして精度を高める必要があろう。
もっとも出現率が高かった生徒は、100回のうち26回を出した学生がいた。「あなたはひょっとすると念力パワーを持っているかもしれないから、もっとサイコロを振って試してご覧。1万回ぐらいやって有意差がはっきりと表れたら、確実だから」といっておいた。さてその学生は実際に試したかどうか?
私は、この念力実験の結果がどうあれ、「1がでるように」と念じるこころが「祈り」に通じるものがあるのではないかという解説を加えておきました。
明日の講義で、この結果を発表する。学生たちはなんと判断するだろうか。
私の友人のつくば大学教授(哲学、倫理学)に話したら、「それがほんとのサイコロジーだ」としゃれていた。
この実験は、高校の化学の先生がこんなことを言っていたことから、いつか試してみたいものだと思っていたことで、やっと実現した。
「君たち、念力の存在を信じるかね。サイコロをある数がでるように念じながらふるとどうなるか。100回や1000回ではだめだな、少なくても1万回以上ふってみると、結果が表れるよ。ウソだと思ったら自分で試してみるといい。」
あの学校のことだから、実際に試してやってみた生徒がいたはずだと思うけれど、その結果は聞かなかったことがいまさらのように悔やまれる。
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posted by mrgoodnews at 00:34|
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