最初に考えたことは、「みなが一斉に書き込める黒板」でした。
「さあ、これについて意見を書いてみよう!」と生徒にいうと、生徒達が一斉にキーボードをたたき送信するとそれが大画面と自分の画面に書き込まれるというソフトがないかと探しました。
で、見つからなくて、私はある情報教育ソフトの開発グループに提言してそういうソフトをつくりました。「共同学習支援システム」という名のものです。
でも appletalk は遅くて、すぐにフリーズして止まってしまったり、なかなか使い物になりませんでした。
今では、チャットソフトを使えば簡単にできるようになっています。私はこれも試みたのですが、この結果が面白かった。これについてはいずれまた報告しましょう。
次に考えたことは、データベースをみなで構築していくことです。一つのデータベースを手分けして入力して構築し、できあがったものをみなで使うという発想のものです。
これはそういうデータベースソフトがなくてなかなか実現できませんでした。
LOGO を使って簡単な図形文様を書くということはよくやりましたが、その時に考えたことです。
LOGO という言語は「カメ」をプログラムで動かしていくソフトです「くりかえす 4(まえへ 10 みぎへ)」とプログラムすると正方形が書けるというソフトです。
このカメを共有のスクリーンに何匹も映し出し、それぞれのパソコンからコントロールできたら、いろいろなことができるのではないかとおもったものです。「鬼ごっこ」「サッカー」「かくれんぼ」「てつなぎおに」「かんけり」など子どもが路上でしていた遊びをパソコンのネットワーク上でできたら面白いと思ったものです。
「鬼ごっこ」はどのようにしたら敵をつかまえることができるか、どうしたら捕まらずに逃げ回れるかを考えなければなりません。これはけっこう頭脳的なゲームだと思うのです。
みなで共同で絵を描くというのも面白いと思ったものです。人が書いたものを「消しゴム」で消してしまうこともできるし、書き変えてしまうこともできる。でもこの機能を使うとすぐにケンカになってしまいそうです。やっていくうちになにかルールが必要だと思い出すでしょう。そのルールとはどのようなものか?考えてみると面白いですね。
でもある同僚の先生にいわれました。「こんなことをやってなにになるんだ?」
みなで一つの絵を仕上げていくということを体験できたら、協働作業の本質を身につけることができるかもしれません。
これらの多くは今では実現できるでしょう。あのころはそのためのインターフェースがなかったので、自分で作るしかなかった。