2006年05月07日

愛と呼ぶにははやすぎるけど……

 いまから30年ほど前、わたしが写真植字という仕事をしていたころのこと。仕事場ではずっと「FM東京(いまのTOKYO FM)」をながしていた。
 平日の朝9時から11時まで浜島信子さんと関淑子さんとのDJで「FMファミリー」という番組があった。音楽と落ち着いた雰囲気のトークを毎日楽しみにして聞いていた。

八坂 その番組の終わりのほうで、いつも八坂裕子さんの短い詩が朗読されていた。その詩がとてもステキだったので、その時間になると朗読された詩をメモしていた。
 そして八坂裕子さんの詩集が発売されるとすぐに本屋に買いに行った。「愛と呼ぶにははやすぎるけど……」(八坂裕子詩 牧野鈴子絵 サンリオ刊 1980年)という本である。

 そのなかにこんな詩があった。



流れる水のように

形にできるようなもの
言葉でいえるようなもの
あなたにあげるつもりはない
ただ
どうしても
これだけはあげたい
いま、見えなくて
ずっと、見えなくても
でも、それが失くなったとき
驚くほど、はっきりと
失くなったことが見えるもの
あなたにはあげたい


 さてその八坂裕子さんである。インターネットで検索してみると、今でも活躍中である。
 このかた、西郷輝彦の歌の歌詞も書いていたらしい。

posted by mrgoodnews at 23:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 本、映画など感動のメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。