2006年05月14日

「インターネット100校プロジェクト」に応募した頃

 前にも書いたが、私の学校では1993年に Macintosh の LC520 というパソコンが導入されてコンピューター教室ができ、情報教育が始まった。Mac ユーザーが誰もいなかったにもかかわらず、Mac を導入するという「無謀なる決断」を行ったが、結果的にそれはあやまりではなかったと思う。
 それに引き続き、「無謀なる決断」の第2弾がある。


100pro それは、1994年8月25日の新聞記事から始まった。その新聞記事は「インターネットで教室から世界へ」と題した「インターネット100校プロジェクト」のプロジェクト校募集の記事であった。この記事を読んで胸のときめきを感じたのである。
 さっそくこの記事を切り抜き、夏休みの明けるのを待った。このときほど早く学期が始まらないかと待ちこがれたことはない。夏休みがあけた9月1日に同僚の教員たちに「これに応募してみないか」と持ちかけてみた。するとその同僚は「私もそれを考えていたところだ」と意気投合したのである。
 その同僚とは、その時の研究部長と前研究部長であった。ただちに情報教育委員会が招集され、検討された。委員会では「そんな大それたことは、うちの技術ではとうていできないのではないか。もし引き受けてなにもできなかったらどうするんだ。インターネットのなんたるかを誰も知らないではないか」という意見も出されたが、「やってみよう」ということになり、募集要項を取り寄せて応募することとなった。
 無鉄砲というか大胆というか、無謀というか……………。

 しかし、まったく幸運なことに応募した1000校以上の中から「100校」に選ばれたのである。どうして選ばれたのかは未だもってなぞである。

 こうして1995年には回戦がひかれ、機器が設置され、インターネットに繋がり、夏には学校ホームページが開設された。
 当初の不安と危惧は、NTTの技術者とボランティアの大学生・大学院生のサポートによって解消された。この方たちのサポートがなかったらとうていできなかったことである。
 インターネットが教育現場に入り込んでいく草創の時代を生徒とともに経験できたということは、私の二十余年の教員生活の中でももっとも胸のときめきを感じた面白い時であり、時代の最先端をいっているんだという自負をもった時であった。

 知識も技術も能力も全くなかった私たちが、それでもいちおうホームページの開設までこぎ着けたことは、旺盛なる好奇心とインターネットがこれからきりひらく未知の世界への冒険心の産物であったといえよう。
 今ふり返っても、よくぞここまでできたものだと感心するのである。こういう経験はこの時代に生きたものでなければ経験できなかったものであった。今思い出してもあの時の胸のときめきがよみがえってくるのである。

 その「100校プロジェクト」でなにを行ったのか、また改めて書くことにしようと思う。

 
posted by mrgoodnews at 00:54| Comment(3) | TrackBack(0) | 教育・学校・授業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
土屋先生こんばんは。お久しぶりです。
覚えていらっしゃるかわかりませんが・・・46期でお世話になりましたいしざわです。
先日は同窓会へのお葉書のお返事ありがとうございました。
当日お会いできないのは残念ですが、またお目にかかれればと思います。
ところで、このパソコンの導入覚えていますよ^^
確か私たちが一期生でした・・・視聴覚教室の中にずらりとならべられたパソコンの前に皆で座ったこと覚えています。
当時は「???」という感じで・・・まったく何もわかりませんでしたね。立ち上げから何から操作のひとつひとつを質問していた気がします。
10年一昔、とはよく言ったものですね。
あの当時私たちにとって最新の電子機器だったポケットベルは、今や会社すら倒産し、まったくお目にかかれなくなり、パソコンはなくては仕事にもならない世の中になりました。
私もその利益を享受している一人ですが、しかし、やはり使い方を間違えてはならないシロモノだとも強く思います。
映画やビデオでは禁止されている映像や、いやそれ以上に衝撃的な内容のものがいとも簡単に見れてしまったり。
漢字が思い出せなくなることも多いですしね・・・。

ブログで色々な人が発言できるようになったことは面白いですね。新たな出会いだけでなく、昔の人達ともう一度つながることができますから。私も、SNS「mixi」で清泉の旧友とたくさん「再会」しましたよ。

先生のブログ、またちょくちょく遊びに来ますね。
先生もどうぞお元気で。
Posted by ishizawa at 2006年05月16日 01:29
ishizawa さんへ
コメントをありがとうございます。同窓会は mixi で盛り上がっているようですね。
先日44期の同窓会に参加しましたが、このときも mixi で連絡を取り合っていたようです。
私は BLOG の匿名性がいいかなと思ってこちらを「毎日更新」をめざしています。匿名性といってもよく読めば学校も私の名前もバレバレですが、(このコメントでも名前を呼ばれてしまった……………。)
また、時々見に来てください。きっと懐かしいことがいっぱい出てくると思います。すっかり「昔はよかった」モードで書いているので。
皆さんにもよろしく。
Posted by mrgoodnews at 2006年05月16日 23:23
わー先生そうですね。すみません、名前でお呼びしてしまった・・・どうしたら削除できるのかしら・・・。
また見に来ますね。

先生と奥様の写真は、ヨーロッパ人のご夫婦のようですね。
在校当時、連名の年賀状などのお返事を先生から頂くたびに、良い意味で日本人らしくない、ステキなご夫婦なのだなぁ〜と、
(勝手に^^)思っていたことを思い出しました。
Posted by ishizawa at 2006年05月17日 19:11
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