私は、SIGNIS (カトリックメディア協議会)の一員として、カトリック映画賞の選定にも関わっている。このカトリック映画賞の候補作として、「村の写真集」とともに最後まで残ったのが、実は「狼少女」という映画であった。
私は最後まで、この「狼少女」をカトリック映画賞として推したのであるが、残念ながらこれは選に漏れてしまった。
「狼少女」の舞台は昭和30年代であろうか。あの時も転校生の少女がいた。その少女にほのかな思いを寄せていた私の小学生時代の想い出と重なる。
そしてもうひとつ、この映画に郷愁を感じさせていたのは、BGMである。「ニュー・シネマ・パラダイス」のテーマミュージックにそっくりなのである。
ある地方の町の小学校に転校生がやってきた。この美少女手塚留美子と貧しい家のいじめられっ子の小室秀子と主人公の「僕」太田明の小学4年生が主なる登場人物である。
ちょうどその時、町に見せ物小屋が現れる。その見せ物小屋には「狼に育てられた少女」が出し物になっている。
クラスの男の子たちは、この「狼少女」が小室秀子であると噂を立て、いじめるのだが、手塚留美子は毅然としてそのいじめに対抗する。
主人公の僕はある夜、見せ物小屋をのぞきに行き、その「狼少女」の姿を見てしまうのである。
見せ物小屋が次の町に移動していくと、転校生留美子も転校していく。
その手塚留美子の「凛」とした姿に惚れてしまったのである。私の小学生時代の想い出と、ニューシネマ・パラダイスに似たBGMにつられて……………。
こんどの高校生の「宗研」の合宿でこの映画を一緒に見ることができたらと思う。彼女たちがこの映画を見て何を感じるのか、そこをたずねてみたいものである。
詳しいことは「狼少女」の公式ページをみてほしい。
やはりこの映画はカトリック映画賞にはふさわしくないか……………。
スクリーンの向こうに天国も見えるし。
高校生たちの感想を是非、聞きたいものです。