参加者は、英語、社会、理科そして私「倫理」の教員たち。
いつもながら、知的で高尚な会話である。
「「卯」と書いた長ほそい箱の中に「望遠鏡」が入っていた。これは何を意味するのか?」
発題は英語の教員である。誰も答えられなかったので答えを教えてくれた。
「望遠鏡のことを別な言葉で言うと?」
「とおめがね」
「そうそう、十番目が『ね(子)』わかるかな? 」
「十二支で子丑寅卯辰巳……………。『卯』の十番目は『子』というわけだ」
すると「理科」の先生がいつもの「うんちく」を発揮して、つづいて問題を出した。
「江戸時代の人はこういうしゃれがよほど好きだったと見えてけっこうこういうのがある」『へちま』はなぜヘチマというか?」
「『へ』と『ち』の間というと………。『いろは歌』だな」
「『いろはにほへとちりぬるを』だから『と』だけど、『と』がなぜヘチマなのか?」
「ヘチマは江戸時代には『いとうり』と呼ばれていた。この『糸瓜売り』が『いとうり』と大きな声で売り歩いているのが『と』だけになってしまった。ここから『と』がヘチマになるわけだ」
「じゃあ、これは? 『やまのかみ』はなぜ『奥様』を意味するのか?」
「これは聴いたことあるな。これも『いろは歌』かな。」
「正解! 『いろは歌』全部いってみましょう。」
「いろはにおへどちりぬるを。わがよだれぞつねならむ。うゐのおくやまけふこゑて、あさきゆめみし、えひもせず」
「『やまのかみ』はな〜んだ?」
「『おく』だな。なるほど」
「これはお山の神さまだとず〜っと思っていた。そうだったのか。」
するとまた英語の先生の質問。
「日曜大工の売り場に、ひらがなで「て」と書いた札の貼ってある商品があった。さて何を売っていたのか?」
ところが彼はその問題を出したあとに誰かに呼ばれてすぐに去っていってしまった。そこで残った人で知恵を絞って考えること十数分。
「『トンカチ』『カナヅチ』みたいな気がするけど、ちがうかな? でも説明できない」
「『ハンマー』というのはどうか? マはアイウエオ順でいくと三十六番目 その半分の18番目は『て』ではないか?」
「おしいな。18番目は『つ』でした。」
「う〜ん。ちがうか。これは難しい」
結局その応えは未だわからないままです。今日の昼休みにその応えを聞くことになっています。
「四人がない知恵絞ってこれだけ考えたのだから、あまりくだらないだじゃれではゆるせないよな」
「そうしたら、今度はあの英語の先生に『つ』と書いてありました。さて何を売っていたのでしょうか?と質問しようよ。」
「それがいい、それがいい」
どなたか、おわかりの方がいたら、お教え願いたい」