唯一の神と言いながら、イエスが神の子というのはおかしいのではないかという批判に応えたかたちでこの理論が生まれたらしい。といってもイエスが「三位一体」という言葉を使っているわけではないが、「父と子と聖霊」というのはイエスの言葉を根拠にした考え方である。
この三位一体論はなかなかわかりにくい理論であるが、最近読んだ「知の教科書 キリスト教」(竹内節子著 講談社選書メチエ)によるとこんな説明がしてあり、納得してしまった。
三位一体を数学の無限集合で説明しようとする考え方がある。
この節によれば、数学の「無限」とは現実の世界には具体的に存在しないが、その存在を認めうるような概念であるとされている。これがすでに、人間にとっての「神」の存在のしかたに似ている。そして三位一体の父と子が同じものではないがどちらも神であるということは、全体集合と部分集合がともに無限集合であることと似ている。
たとえば、自然数の集合は1,2,3………と永久に続く無限集合である。次に偶数の集合は2,4,6………とこれも無限集合であるが、後者は前者に含まれる部分集合である。
なるほど、こういうとらえ方もあったんだと興味深く感じ入りました。
コメントをどうもありがとうございます。
さっそくわたしも「立ち読み」してみましょう。