2006年11月16日

「三位一体論」という考え方

 キリスト教の神は「三位一体」といわれる。神は父と子と聖霊の3つの「位格(ペルソナ)」を持つということがカトリックもプロテスタントにとっても信仰箇条になっている。
 唯一の神と言いながら、イエスが神の子というのはおかしいのではないかという批判に応えたかたちでこの理論が生まれたらしい。といってもイエスが「三位一体」という言葉を使っているわけではないが、「父と子と聖霊」というのはイエスの言葉を根拠にした考え方である。

 この三位一体論はなかなかわかりにくい理論であるが、最近読んだ「知の教科書 キリスト教」(竹内節子著 講談社選書メチエ)によるとこんな説明がしてあり、納得してしまった。

 三位一体を数学の無限集合で説明しようとする考え方がある。
 この節によれば、数学の「無限」とは現実の世界には具体的に存在しないが、その存在を認めうるような概念であるとされている。これがすでに、人間にとっての「神」の存在のしかたに似ている。そして三位一体の父と子が同じものではないがどちらも神であるということは、全体集合と部分集合がともに無限集合であることと似ている。
 たとえば、自然数の集合は1,2,3………と永久に続く無限集合である。次に偶数の集合は2,4,6………とこれも無限集合であるが、後者は前者に含まれる部分集合である。

 なるほど、こういうとらえ方もあったんだと興味深く感じ入りました。
posted by mrgoodnews at 23:56| Comment(2) | TrackBack(1) | 福音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最近出版された、中沢新一『三位一体モデル』は、立ち読みした程度ですが、三位一体を、一つの思考のモデルとしてとらえて、それにもとづく文明論などわかりやすく書かれています。
Posted by たかたか at 2006年11月23日 23:24
たかたかさま
コメントをどうもありがとうございます。
さっそくわたしも「立ち読み」してみましょう。
Posted by mrgoodnews at 2006年11月26日 00:40
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