「スタディアムの語源を知っていますか? あれはスタディオンから来ています。スタディオンは太陽がのぼりかけて水平線から頭を出した時から、水平線を離れるまでに歩いた距離を示します。その幅が取れるところがスタディアムというわけです。だから語源はギリシャか古代メソポタミアというわけです。」
「そうなんですか。そういえば聖書にもスタディオンは長さの単位として使われていたような気がする。」
さっそく家に帰って、「スタディアム」「語源」で google したら見つかりました。
スタディオンの起源は、バビロニアのようです。その長さの定義の仕方がなかなかユニークなんです。
朝の太陽が地平線にほんのすこし見えたとき、歩き始めます。そして、完全に太陽が見えるようになるまでにあるいた距離――それが、「1スダディオン」なのです。
これは、なかなか実用的です。太陽に向かって歩いていけば、時間を計る必要もありません。太陽の視直径は約32分の角度(1分は1度の60分の1の角度)なので、太陽がその角度だけ移動するには、約2分かかります。ま、簡単に言えば、2分間に歩く距離が1スタディオンということです。これは、約180mになります。」
「古代オリンピックでは、1スタディオンの直線コースを持つ競技場を使用していました。したがって、1スタディオンが最短の競争距離でした、それ以上の距離になる競走は、走路を往復して行われました。
スタートラインとゴールラインが石で作られていたおかげで、今でも、その距離を測ることができる場所があります。
デルフォイ………178.35m
アテナイ…………184.96m
オリュンピア……191.27m
など、その長さはかなり異なっていることが分かります。
やがて、「スタディオン」は、競争そのものを指す言葉として使用されます。そして、今では、競技用のスペースと観覧席が備わっている建造物を指すようになったわけです。
そして聖書を探してみました。そして見つけました。「イエスが湖の上を歩く」所(マタイ14章24節)にあります。
「ところが、舟はすでに陸から何スタディオンか離れてあり……」とあります。
またヨハネ11章18節には
「ベタニアはエルサレムに近く、十五スタディオンほどのところにあった。」
とあります。
まだまだその他にもあるでしょう。