2007年08月27日

「女ことばはどこへ消えたか?」を読みました。そういえばたしかに………。

 中学3年生の生徒が「論文」で、「変わりゆく日本語」について研究しているのに刺激されて、わたしも「女ことばはどこへ消えたか?」(小林千草著 光文社新書 2007.7刊)を読んだ。

 そういえば今の中学生や高校生の女の子たちは「女ことば」を使わなくなった、男性化していったというか、言葉遣い上の男女差がなくなったというべきか。
 この本は、その「女ことば」の歴史と現在について書かれている。いろいろと思い当たるところがあった。

 まず、「女ことば」として生まれたのに、今では男女差がなく使われている言葉に「おひや(冷たい水)」「おかか(削り節)」「おかず(ごはんの……。)」をあげている。これはもともとは宮中の女房たちが使っていた言葉なのだそうな。

 100年ほど前に書かれた夏目漱石の「三四郎」に出てくる女性の話し方に注目する。「ほほほ」という笑い方に注目し、さらに「女は文末に何をこめる?」として女性特有の文末表現をあげる。
「〜わ。」「〜よ。」「〜てよ。」「〜て。」「〜って。」「〜ね。」「〜の。」「〜こと。」「〜もの。」
 20年前くらいには、まだこの文末表現が「女ことば」の特徴であった。それが今、女子中高生の口からはほとんど聞かれない。それが最も大きい変化ではないか。

 さらに200年前にさかのぼり、式亭三馬の「浮世風呂」を分析する。ここで明らかになったことが「おれ」「おら」は女ことばだったということである。

 現代の女性も使う若者ことばのいくつかをあげている。
 まず文末の「〜じゃん。」
 「やっぱそうか」(やはり)
 「きもい」(きもちわるい)
 「ちげーよ。」(ちがうよ)
 「ちがくない?」(ちがっていない?)
 「………な人」といういいかた。
  (私って甘いものが好きな人なんです)
 「やべっ。まじカワイイ」
  (やばいという言葉からきているが、これは「まずい」という意味から変貌している)
 「関係ねぇーよ。」「知らねぇーよ。」「そんなことしねぇーよ。」

 この本には出てこなかったが、最近気になるのは
 「やりっぱ」「あけっぱ」ということば。
 「やりっぱなし」「あけっぱなし」の意味である。これは20代の女の先生も使っている。

 最後にこんなことも書いてあった。
「現代もっとも女らしい女ことばを使っている人たちは、おすぎやピーコ、美輪明宏、美川憲一など、いわゆるニューハーフと呼ばれる人たちではないか」
 たしかに、彼らは「美しい女ことば」を使っている。

 

 

 

 
posted by mrgoodnews at 23:42| Comment(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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