調べてみると、確かに「納豆」と「豆腐」を運んでいた船が嵐に遭い、その時に荷札が入れ違って、それが日本に輸入されたという説がありました。
でもさらに調べてみると、「腐」という字には「凝固させる」という意味もあったとか、「昔神棚に豆を納めたら、しめ縄に付着していた納豆菌がうつって納豆になった」という説もあります。この説によると入れ違ってはいないというのが正しいようです。
納豆も豆腐も東アジアの照葉樹林帯の文化の共通する特産物なのだそうで、豆腐は中国が原産地です。東南アジアの国々でも「とうふ」と発音するというのも聞いたことがあります。もしそうだとすると入れ違い説は日本に来る以前に入れ違っているはずですね。
ただし納豆は中国にはないとか。
関西の人はそのむかし、納豆を食べる習慣がなかったようで、東京に出てきて初めて食べたという人も多いようです。「あんな腐った豆なんか食えるか」と言って食べようとしない関西人もわたしの身の回りにけっこういました。いまはもうどこでも納豆をてにいれられるようになったのでそういう人は減ったでしょう。
長州人の大村益次郎は、豆腐が大好物で酒を飲むときは必ず豆腐2丁をさかなにしていたとか。部下と飲むときもそれしか出さなかったので、部下が不平を言うと「豆腐を大事にしないものは国を滅ぼす」と言って叱ったとかいう話しもありました。「豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえ」とは言わなかったようですが。