2007年10月28日

「デンプン」と「タンパク質」の表記はカタカナにしてはならない。

 「生物氏の憤慨」シリーズのつづきである。一挙にあふれ出てきたというかんじであるが、わたしのブログにどんどん書くべきであるという漢文氏の支援に支えられて続けて書くことにする。

 生物の教科書にデンプンとかタンパク質という言葉がカタカナで表記されている。

 デンプンというのは漢字で書くと「澱粉」となる。この「澱」の字の訓は「よどむ」つまり溶けずに底に沈殿するという意味であり、「澱粉」が水に溶けにくいということを示す漢字である。澱粉が水に溶けにくいということは生物学的に意味を持っていて、だから消化酵素の働きが必要であるとか、アルファ澱粉とベータ澱粉とがあるとかの説明にすぐにつながる漢字表記なのである。
 「沈殿」という漢字も問題である。本来は「沈澱」という漢字であるべきであるのに、この「澱」の字が当用漢字にないという理由で「さんずい」が取れてしまった。これでは意味がなくなってしまう。

 タンパク質は漢字で書くと「蛋白質」となる。「蛋白」というのは「卵白」を意味する熟語であるが、この「蛋」という字も当用漢字にはないがゆえに、「たん白質」と書いたりしていた。これもひどいが「カタカナ」にするのはもっとひどいというのだ。漢字の由来が示す大事な意味が失われてしまうというわけである。

 まだまだこういう表現がたくさんあるという。漢字表記の持つ情報量はとても豊かなのに、それをわざわざ無味乾燥なカタカナ表記にするべきするべきではないと憤慨する。
 漢文氏もわたしも同意見である。


posted by mrgoodnews at 00:13| Comment(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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