この鳥は胸に黄色と黒の模様を持っているのでこの名が付けられたようだ。主に広葉樹林の雑木林に住み、落ち葉をかき分けてミミズなどを好んで食べている。
夜行性の鳥なんだそうで夜になると、口笛を吹いたような細い声で鳴くため鵺(ぬえ)または鵺鳥(ぬえどり)とも呼ばれ、気味悪がられることがあった。「鵺鳥の」は「うらなけ」「片恋づま」「のどよふ」という悲しげな言葉の枕詞となっている。トラツグミの声で鳴くとされた架空の動物はその名を奪って鵺と呼ばれ今ではそちらの方が有名となってしまった。
「ヌエ」といえば平家物語の源頼政の「ヌエ退治」を思い出すだろう。近衛天皇の世、東三条の方より夜な夜な一陣の黒雲とともに怪物がやってきて寝所の天皇を悩ませた。そこで、頼政に退治させたところ、頭はサル、体はタヌキ、尾はヘビ、手足はトラのような怪物でその声はヌエのようだったという。
物語に登場する怪物には名前がないのだが、声がヌエのようだったということから怪物イコールヌエと思っている人が多いのです。また、この怪物のように正体のわからないものを「ヌエ的存在」などということもある。ヌエという言葉がいかにも怪物らしい響きを持っているためであろう。
ここに写真と鳴き声があります。