裸になった落葉樹でもよくみると樹形がそれぞれに違っていて、結構面白いと思うようになりました。20年以上おなじ所を歩き続けるとこの木が何の木であるのかがわかってきます。
そんな私にとても参考になる本がありました。「冬の樹木」(村田源監修 平野弘二著 保育社刊)です。
この本は冬の落葉樹を検索するための本です。これによると「冬の樹木」を検索する手がかりは3つあるそうです。一つは樹木の芽、そして幹の木肌、さらに樹形なのだそうです。
今回は先ず「樹形」というところからアプローチしてみましょう。
樹形の美しい木といえばまず「ケヤキ」があります。これはわかりやすいですね。何が特徴かといえばとても表現しにくいのですが、枝の先がとても細くなっていることも特徴の一つではないかと思います。
メタセコイヤも樹形の美しい木です。これはカラ松と並んで落葉針葉樹です。この針葉はある日一斉に落葉するので、その木の下が落葉だらけになります。この木も成長が早く巨木になります。たぶん世界で一番の巨木はこの木ではなかったか。「生きた化石」ともいわれています。
次に出てくるのが「カラスザンショウ」これは逆に枝の先がとても太いのです。これは木肌に特徴があるのでわかりやすい木でもあります。日当たりのよいところに育ちます。真鶴半島に理科の野外実習にいったときに、スダジイや楠の巨木の自然林で木が倒れたりして日当たりがよくなるとこの木が生え出すという説明がありました。
「アオギリ」も木肌が緑なのでよくわかります。これも樹形に特徴があります。言葉で説明するよりも写真を見た方がわかりやすい。この木も成長の早い強い木です。私の家でも毎年大きな葉が落葉したあとに必ず選定をします。そうしないとどんどん伸びて葉を茂らせてしまう。
「カキ」の木は木肌からもわかりますが、樹形からもわかりやすい木です。実が落ちたあとのヘタが残っていたりします。この木はけっして登ってはいけないとよくいわれました。折れやすいのですね。
学校の中庭にこんな木があります。奥のほうの木は「カエデ」の仲間だそうです。幹が赤くなってとてもきれいです。
手前のほうは「トサミズキ」です。種の付いた実がなかなか落ちないのでよくわかります。
逆に葉っぱは枯れているのにいつまでも落葉しない木もあります。「カシワ」です。「柏餅」にするあれです。いつまでも葉が落ちないところから、その生命力にあこがれて「柏餅」にするのだという話を聞いたことがあります。ただし「柏」という字の木は中国では別な木を示しているのだそうです。
まだいろいろと樹形に特徴のある木がありますが、今日はこのくらいにしておきましょう。