2008年09月24日

いよさんとカラムーチョ

 私の母のいよさんは89歳です。5分前のことを忘れてしまう「物忘れ名人」です。

 ときどき、このいよさんの記憶領域を活性化するためにちょっといじわるかもしれない「実験」をします。前に書いたのはいよさんの大好物の「すあま」でした。

 何せお菓子が好きなので、目の前にお菓子があるとすぐに手を出して食べてしまいます。お菓子がないとときどき冷蔵庫にしまってある砂糖を出してなめていたりすることもあります。
「いよさん、またおさとうをなめましたね。まったくありみたいなんだから」
というと
「私は知りません。なんで砂糖ツボが出ているのかしら」
といいます。
 別に嘘を付いていたりしらばっくれているわけではないのです。ただ忘れてしまっているだけです。

 ある日カラムーチョを買っておいていよさんの目の前においておきました。ピリ辛いポテトチップスです。
 しばらくしていってみると、案の定封が切られていて中味を食べたようです。
「なんか口の中がぴりぴりするよ。いったいなにをたべたのかね」
といいます。目の前の袋が開いているのを見ると
「ああ、これをたべたのかな」
といってまた食べてみるのです。
そしてまたしばらくすると
「なんか口の中がぴりぴりするよ。いったいなにをたべたのかね。」
といってまた同じことを繰り返します。
 べつにピリ辛いものが特別好きというわけでもないのですが、結局その袋もいつのまにか空になっています。

 とってもかわいいおばあちゃんなのです。

 
posted by mrgoodnews at 23:49| Comment(0) | 母の「介護」体験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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