鎌倉の十二所の「黙想の家」で「コクサギ」を見つけました。
この木はミカン科で、沢沿いなどのしめったところに生え、枝や葉に臭気があるのでこの木の名前が付いたようです。
クサギはクマツヅラ科でやはり葉に臭気があるところが共通しているのですが、姿形は似ても似つかぬ木です。
この木の特徴はなんと言っても葉が2枚ずつ互生する「コクサギ型葉序」で知られています。葉の付き方が普通は互生か対生あるいは輪生という葉の付き方をするのですが、この木の葉は右に2枚続けてでたあとに左側にまた2枚の葉がつくという変わった葉の付け方をします。
花は雌雄異株で4〜5月頃、まだ葉が伸び切らぬころに花をつけます。実は10月頃熟して、裂開する勢いで種を飛ばします。
私が見つけた木は実がなっていなかったので、雄株だったかもしれません。
葉も実はミカン科のものらしくないけれど、匂いにその名残があるとか。
また、この木は「和常山」という生薬名をもっていて、むしへらしの木なんだそうです。
はえの幼虫退治に使ったり、また木の葉の煎汁を生ゴミの上に振りかけると匂いを消してくれるとかいうので、ライフプランツとしても有用なのでしょう。
カラスアゲハやオナガアゲハの食草でもあるところはやはりミカン科の木であることを示しています。