2008年10月15日

「メランコリアの魔法陣」デューラーの不思議


魔法陣1 私の父は「魔法陣」が好きで、年賀状はいつも魔法陣であった。その父がおそらく知っていたであろうデューラーの「メランコリーの魔法陣」を「さんすうゲーム」(藤沢市算数教育研究会著 太平出版社)で知った。

 魔法陣とは、1からある数までを正方形に並べて、タテに合計してもヨコに合計しても、あるいはナナメに合計しても同じ数になるものをいう。

 タテヨコ4ずつの16コマの魔法陣で、1から16までの数を入れた魔法陣に「メランコリアの魔法陣」というのがある。
 この魔法陣はタテ、ヨコ、ナナメの合計だけでなく、4等分した正方形の中の数も、四ずみの数も、まん中の正方形の数も、残った2個ずつの数をそれぞれ向かい合ったもの同士の数も、その合計が34になるというスグレモノの魔法陣である。


魔法陣3 この魔法陣は1514年(この数も魔法陣に書かれている)オランダの画家デューラーの「メランコリー」という作品に描かれているものである。
 この版画は翼の生えた科学の天才が科学の謎解きのために考え込んでいる絵である。長い間の思考ののちに何かがひらめいたのであろう。虹がかかり鐘が鳴り、天使が祝福している。その絵の壁に掛かっているものがじつにこの「メランコリアの魔法陣」なのである。


魔法陣2 デューラーは芸術家であるとともに数学や思想家でもあった。かれはルターの宗教改革にも共感し、ルターを「私を大きな不安から私を助け出したキリスト教徒」と呼んでいた。
 また彼は、エンペドクレス=ヒポクラテスの四体液説と占星術を結びつけ、黒胆汁質がつくりだす「メランコリー」が、芸術家や科学者に共通してもっている創造性の源のように考えていたようである。
 
posted by mrgoodnews at 10:30| Comment(0) | 数の神秘 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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