The mediocre teacher tells.
The good teacher explains.
The superior teacher demonstrates.
The great teacher inspires.
凡庸な教師は、ただ話す。
良い教師は、説明する。
優れた教師は、態度で示す。
そして、偉大な教師は心に火をつける。
これは20世紀アメリカの哲学者であり、教育者であったWilliam Arthur Ward のことばである。
問題は最後の inspires だと思う。この言葉をなんと訳すか?
上の訳文では「心に火をつける」であった。この訳文も悪くはないが、次のような訳文もある。
並みの教師はしゃべるだけ、
良い教師は説明し、
優れた教師は手本をみせる。
卓越した教師であれば、生徒の心を刺激する
これも今ひとつである。demonstrate の訳は「手本を示す」というのはいいと思う。
私だったらこう訳すだろうか。
普通の教師はただ話す
よい教師はうまく説明する
すぐれた教師は自分でやってみせる
偉大な教師は生徒たちが自らやってみたくさせる
理科とか数学とかはこの訳が適当であると思うがどうだろうか?
ところで William Arthur Ward にはこんな言葉もある。これもなかなか含蓄の深い格言である。
Do more than belong: participate.
Do more than care: help.
Do more than believe: practice.
Do more than be fair: be kind.
Do more than forgive: forget.
Do more than dream: work.
所属するよりも、参加する。
心配するよりも、助ける。
心で信じるよりも、実践する。
フェアーにこだわるよりも、親切を実行する。
許すよりも、忘れる。
夢見るよりも、努力する。
これも4行目と5行目が問題だと思う。上の訳でいいのだろうか?
お題のフレーズですが、私ならこう訳します。
「あまりよくない先生なら伝える。
よい先生ならかみくだいてみせる。
優れた先生なら我が身で示す。
偉大な先生ならひらめきをあたえる。」
tellは、単なる「言う」ではなく、「伝える」。
explainは、plainを広げる(ex)なので、
平易にするということ。
inspireは、語源からすると息吹を吹き込む。
神様の息吹ならひらめきをあたえる、という意味になります。
あと、主語の部分は条件節のように訳してみては?
二つ目のフレーズは、
「所属するよりも多くを成せ。参加せよ。
気にかけるよりも多くを成せ。助けよ。
信じるよりも多くを成せ。実地で試せ。
公平であるよりも多くを成せ。親切たれ。
許すよりも多くを成せ。忘却せよ。
夢見るよりも多くを成せ。夢を実現せよ。」
です。
4行目と5行目はおかしくはないと思います。
ただ、私見では...
fairが「フェアー」では訳出ができていない。
beの訳出が強すぎる。
forgive<forgetは、
昔のことにこだわってから許す
<昔のことはなかったものとして扱う
ということだと思います。
6行目のworkは、dreamとの比較なので、
「努力する」はなんだか合わないと思いました。
何もしない<夢を見る(dream)<夢実現のために働く(work)
という意味だと思われます。
あるいは、そのまま「働く」かも...