秋の運動場に、タンポポによく似たしかしタンポポより少し大きい綿毛状の種が風に乗って飛んでいるのをよく見た。はて、あれはいったいなんだろうかと樹木図鑑を探していたら、テイカカズラの種だとわかった。たしかこの木は春に紅葉するというので報告したことがある。
テイカカズラはキョウチクトウ科の常緑の蔓性の植物。5〜6月頃白い花をたくさんつけ、芳香を放つ。花は筒状で風車かプロペラのような形をしている。
秋には細長い果実をつけ、熟すと二つにわれ、冠毛のついた種子を風に飛ばす。
テイカカズラの名は、式子内親王を愛した藤原定家が、死後も彼女を忘れられず、ついに定家葛に生まれ変わって彼女の墓にからみついたという伝説(能『定家』)に基づく。
図鑑にはこのように書かれているのだが、この花からどのように細長い実が付くのか、そしてあの綿毛の種はこの細長い実にどのようについていて、どのように放出されるのかとても興味を持った。
そしてついに鎌倉の天園のハイキングコースで、この木を見つけよ〜く観察したら、やっとわかった。
なんとも神秘的な実と種である。冠毛が輝くようにとても美しい。