2009年02月16日

チャドで働いていた日本人修道女の死を悼む

 私はカトリック学校において宗教を教えていた教員として、カトリック学校の教育成果を評価する指標は次のようなことにあるのではないかとひそかに思っていた。これはカトリック学校の「隠されたゴール(Hidden Goal)」としてカトリック教育学会で発表したことがあるので「ひそかに」ではないかもしれないが……。
 それはカトリック信者を増やすことよりもずっとずっと大事なそして本質的な指標になると思うが、これをおおっぴらに掲げると受験生が減少してしまうだろう。

 その第1は、胎児診断で胎児に先天性の異常がある可能性が高いといわれたときに「それでも産みます」と答えられること。
 第2には、釜が崎や山谷などに住む日雇い労働者やホームレスの人びとを見て、こどもに「しっかり勉強しないとあーいう人になってしまうよ」という見方を拒否できること。
 第3に、海外旅行をしようと誘われたときにヨーロッパやアメリカよりもアジアやアフリカを選ぶことができること。
 第4は、第3と似ているが、アジアやアフリカの貧しい人びととともに生きることを選択する人がどれだけ卒業生の中から生まれるかということ。
 第5は、出世や社会的地位の向上のために生きる「昇っていくいきかた」ではなく、ベテルふうにいえば「降りていく生き方」を選択できる人がどれだけうまれるか。

 ミッションスクールの教育評価を測る指標はきっとこういうものであるとおもう。けっして大学の進学率やいい会社への就職率ではないのである。

 ところで前置きが長くなったが、今日2月15日、友人から彼女が教えていたカトリック学校の卒業生が、修道女としてアフリカのチャドで働いていたときに交通事故にあってなくなったというニュースが知らされた。つい先日の2月2日のことである。
 私はそのシスターに面識があるわけではないが、このニュースを聞いて思わず悲しくて涙をこぼしてしまった。
 この話を聞き、すぐにインターネットで検索をしてみたら、彼女の死を悼む記事がいくつか掲載されていた。学校の同窓生や友人の記事もあった。
 日本人に限らず、こういうところで働く修道女が大変多く、その中のかなり多くの人がカトリック学校の卒業生であるということは、カトリック教会とカトリック学校の誇りでもある。

 私の教会では、このような日本人修道者がとくに現地の子どものために働いている学校や施設に、クリスマスのチャリティショウの利益を毎年送っている。以前チャドにも送った記憶があるが、もしやそのシスターが働いているところではなかっただろうか?

 あらためてご冥福を祈りたい。


posted by mrgoodnews at 00:16| Comment(0) | 福音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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