2009年03月02日

「咲」と「笑」もとは同じ古字からきていた。

 毎日新聞の日曜版「世界遺産の旅 清水寺」を読んでいたら、森清範貫首(今年の漢字を書く人)がこんなことを書いていた。

「咲」は「わらう」とも読みます。冬眠っていたものが咲く。これが春ですわ。


 そこでさっそく「咲」という漢字を広辞苑で調べてみた。そうすると

1.花がさく。
2.わらう。=笑。「戯咲・一咲・言咲」

「笑」の古字を書き誤ったもの。古来中国では「わらう」の意味にしか用いない。咲の古字は、「鳥鳴花咲=鳥なき花わらう」という慣用句から、日本で「さく」意に転用されたもの。

 というふうにあった。
 ところで、こんどは「笑」という字を調べてみた。

 長澤規矩也監修の「明解漢和辞典」によると

1.わらう
2.えむ
 イ.にっこりする
 ロ.花のつぼみが開く
 ハ.実が熟してわれる


となっていた。
 
 なるほど。「咲」も「笑」も意味は同じで、「花が開く」からきていて、ともに笑うという意味ももっていると言うことだ。
 しかし、どうもこれはだれか漢字を日本に持ち帰った人がうつし間違えたことから来るようである。

 清水寺の森貫首が、清水寺の魅力を、中国の宋代の画家郭煕が山を描く心がけで詠った詩を紹介していた。この詩がとてもいい。

 春山淡冶(たんや)にして笑うが如く
 夏山蒼翠(そうすい)として滴る(したたる)が如し
 秋山明浄にして粧う(よそおう)が如く
 冬山惨淡として眠るが如し


 これは清水寺だけでなく、日本の四季の山はいずれもこういう感じを持っているということだと思うが……………。







posted by mrgoodnews at 16:43| Comment(2) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最近は女の子の名前にこの字を使う方が多いですね。咲ちゃん、咲子ちゃんは、一学年に必ず?一人はいます。
また、私の知り合いに、笑(えみ)ちゃん、という御年88のご婦人がいらっしゃいました。名づけられた方(ご両親)は、センスある方だったんだろうなーと思いました。
Posted by S.S.S at 2009年03月05日 15:06
突然すみません。
とてもよいお話だったので、自信のmixiで転載させていただくことをお許しください。

ご紹介ありがとうございました。
Posted by しもざと at 2013年03月08日 00:59
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