カクレキリシタンの地である生月島にあるカトリック山田教会にいって、とてもおどろいた。こういう教会は世界でもここにしかないであろう。
この教会も、多くの長崎の教会群を建築した鉄川与助の作品である。外観も中の木造コウモリ天井もとても美しい。
しかし、それ以上に美しいものがあった。モスクにあるような美しい幾何学紋様をさしてガイドの方が、あれはなんでできていると思いますか?と質問をされた。「あれは蝶の羽根でつくったステンドグラス」なのである。この教会の主任司祭である烏山神父が、外国から送ってもらった蝶の羽根を使って作ったものであるという。確かにようくみると蝶の羽根でできているようだ。ふしぎな輝きをもっている。
なんでも「7つの秘跡」を描いたものであるということであるが、どれが何の秘跡なのかは正確にはわからなかった。解説もない。
それにしてもこの烏山神父さんはすごいというか、変わっているというか、虫好きの神父さんで、年中網をもって昆虫採集をしていたらしい。
この教会は、1987年に列聖されたトマス・西神父とその父親で昨年列福された殉教者ガスパル西玄可ゆかりの教会である。
祭壇にかかっている十字架は、ガスパル様の墓に生えていた木で作ったものであるという。
そういう殉教者の教会にこの「蝶の羽根のステンドグラス」の取り合わせは絶妙というか奇妙というか。