2009年04月13日

辞書で「右」「左」を引いてみると………。

 国語辞典で「右」「左」「前」「後」などの言葉を引いてみると、辞書の編集者たちの苦労の跡がよく見えてくる。

 手元にあるいくつかの辞書を引いてみることにしよう。

 広辞苑 
 「みぎ(右)」南を向いた時、西にあたる方。

 旺文社標準国語辞典 重版 昭和45年 
 「みぎ(右)」東を向いたときに南に当たる方。

 旺文社国語辞典 重版 昭和38年刊
 「みぎ(右)」箸を持つ手の方

 新明解国語辞典 第4版 1989年
 「みぎ(右)」アナログ式時計の文字盤に向かったときに1時から5時まで表示のある側

 ようするに方角からいうのが定番となっていたのだが、さすが「新解さん」。
 でも右左のわからない人がアナログというのがわかるのかどうかという疑問をもつ。

 これは何の辞書だったか、不明だがこういうのが「傑作」だといわれている。

 「みぎ(右)」この辞書にむかって偶数ページのある方。


 ただし、右左のわからない人が、偶数奇数がわかるのかという根本的な疑問にぶちあたる。

 ちなみに「新解さん」で次の言葉を引いてみた。

 「まえ(前)」自然の状態で口・鼻の向いている方。人やサルの場合は目の向いている方向。

 「あいだ(間)」直接続かない二つの点・物の非連続的部分を満たす空間・時間など

 広辞苑では

 「まえ(前)」物の正面にあたるところ。

 「あいだ(間)」二つのものに挟まれた部分。物と物とに挟まれた空間・部分。

 である。
 こういうふうな、よく使われる言葉で辞書が定義するのにもっとも苦労することばというのはほかにあるだろうか?


posted by mrgoodnews at 18:18| Comment(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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