安中栄子著「雪のサンタマリア」を読んだ。キリシタンの歴史をさらっと書いてあった。こういうのも珍しいというべきか。
以下本の表紙にあった紹介文から。
「雪のサンタマリア」とは、西暦一六〇〇年代の初め頃、日本にキリスト教の布教をすすめた教派・イエズス会のセミナリヨの画学生によって描かれたと想像される絵の題名です。この絵は現存し、黒い紙で半分が覆いかくされているものの、なお、気品と優美さが備わっています。恐らく、かくれキリシタンの人々が信仰の証しとして大切に保存し、日夜、祈りをささげたものと思われます。この絵に心を動かされた作家・安中榮子が、絵を描いた画学生・大西孝輔を創作し、時代・社会・そうして人間関係を軸に展開する歴史ドラマです。歴史は、名もない人々の苦闘の記録でもあることが理解できる、すぐれた文学作品です。
この時代長崎にはセミナリオ(神学校)に併設されて画学舎という美術学校が設けられていた。キリシタン版の本の挿絵や表紙を書いたり、聖画を書いたりする画学生を養成するために設けられていた。日本で最初の美術学校であった。
この本はその画学舎で学ぶ画学生が描いた作品といわれている「雪のサンタマリア」は長崎県外海町のある農家で発見された。
雪のサン夕・マリアという名前は、のちに潜伏キリシタンによつてつけられたものである。雪のサン夕マリアの祝日は、ローマの教会の暦にも外海のバスチャンスの暦にも八月五日とある。伝説によるとリべリオ教皇の時代に(四世紀下句)ローマで夏の一番暑い時、イエススの御母に捧げられる教会の場所を示すために雪が積もった。この話は「天地はじまり」に加えられたが、その本では聖母マリアが行なった奇蹟のように述べられている。
美しいマリア像である。
いつかNHKで「雪のサンタマリア」について放送していた。このテレビ番組はたぶん録画してあったはずである。見つかったらまた報告することにしよう。