2009年05月22日

民族音楽におおい5音階の音楽の不思議

 世界の民族音楽には5音階の音楽(ペンタトニック・スケール)が多いといわれる。西洋音楽が7音階の音楽であるのにたいして5つの音符しか使用しないで作られる曲である。

 たとえば日本の伝統音楽である民謡や唱歌、そして演歌は「ヨナぬき調」といわれる5音階で作られている。ドから初めて4番目(つまりファ)と7番目(つまりシ)の音を使わないで歌われる。
 このことを知った明治政府の音楽取調掛の初代所長伊沢修司は学校で教える小学唱歌を選定するときに、この日本の音階と似た構造をもつスコットランド民謡やアイルランド民謡を積極的に取り入れた。「蛍の光」「故郷の空」「埴生の宿」「庭の千草」などがこれである。日本人に親しみ深いというわけであろう。

 演歌もこのヨナヌキが多い。演歌の特徴はこのヨナ抜きとコブシであるといわれる。
 
 日本のヨナ抜きに対して琉球音階は、特徴がある。レ(2番目)とラ(6番目)の音をぬくのでニロ抜き調などともいわれる。
 たしかにこの2音を使わずにピアノの鍵盤を叩いてみると、なにやら沖縄の音楽風になるのである。
 なおこの音階はインドネシアのガムラン音楽においても採用されている。

 ある特定の音を使わないとある雰囲気の曲ができるというのはとても不思議な感じである。
 そういえば短調の曲はラからはじまるというのを聞いたことがあるが、ラからはじまる短調の音楽は何となくもの悲しい雰囲気を持つというのも、考えてみたらとても不思議である。
posted by mrgoodnews at 23:54| Comment(0) | 詩、歌、祈り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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