2009年06月16日

シラカバの木とキシリトール

 北海道にいって、シラカバの樹液入りの清涼飲料水を飲んだことがあります。「さわやかな甘み」とあるのですが、私にはそれほどおいしかったという記憶はありません。

 私は昨年のクリスマス以来禁煙をしています。あれから一本も飲んでいないので、まあ、平気かなという状態だと思っています。
 特にパソコンに向かっているときとお酒を飲むときがタバコを飲みたくなることが多く、このときが危険だと思っていました。実際は、お酒を飲むときはそれほどではないのですが、やはりパソコンに向かっているときは吸いたくなります。
 そういうときのためにあめ玉やガムをおいておいて、食べることにしていました。おかげであめ玉とガムについてはけっこう詳しくなりました。


シラカバ1 先日そんなことから「キシリトールガム開発物語」(橋本明美著、学習研究社)という本を読みました。それを読んで興味を持ったのは、キシリトールはシラカバなどの幹からとりだした「キシラン・ヘミセルロース」という物質から作られ、甘さは砂糖と同じでありながら、カロリーは約75%と低く、しかも口の中にいる虫歯菌に利用されないために、虫歯の原因となる酸を作らない甘味料であるということでした。
 つまり、シラカバの樹液の甘みがこんなところで使われているということを聞いてうれしくなったわけです。
 そこで、もうすこしシラカバについて調べてみました。

 シラカンバの特徴である白い樹皮は、トリテルペンのペチュレノールが含まれるために、雨でもすぐに着火できるすぐれた燃料です。他にも樹皮は煙草入れや小刀の鞘、火縄、合わせ箱の縫合、屋根葺きにも重宝されました。
 樹液は3〜4月に最も多く採れますが、この時期を逃すと量が少ないばかりか、樹液が濁ってしまいます。採取方法は地上50センチの幹に、直径約17センチの穴をあけてパイプを差し込むもので、一晩で平均4〜5リットルの樹液が採取でき、多いときは1か月に150〜200リットルも収穫できるそうです。
 日本では、古くからアイヌの人が「タンイワッカ」とよんで健康飲料や調理用として採取したり、発酵させてお酒として飲んでいました。ロシアのハバロフスクなどではホテルでもシラカンバジュースが振る舞われ、市内のマーケットでは安価で売られています。他にも樹液を発酵させて、シャンパンに似た樺酒(ビルケンワイン)を作るそうです。………
 カナダではメープルシロップをつくるように、シラカンバ樹液を煮詰めてシロップもつくり用います。
 樹液は糖度が1%程度あり、果糖やブドウ糖、有機酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄などが豊富です。樹液にはストレスや疲労を和らげる配糖体のシリンガレジノールなどが含まれますが、注目はキシリトールです。シラカンバに含まれるキシラン、ヘミセルロースに水素を加えて作るキシリトールはシラカンバだけでなく、カシ類、ラズベリー、トーモロコシの芯、ホウレンソウなどの野菜類からも抽出できますが、量的にはシラカバが優れます。
 キシリトールの甘みはショ糖と同程度ですが、清涼感ある甘みが唾液分泌を促進し、口腔清浄化に役立ちます。また虫歯の原因であるミュータンス菌で発酵しないため。虫歯の原因となる酸を作らず、ミュータンス菌を体内に取り込まれるとリン酸化反応を受けてキシリトール5リン酸に変換され、ミュータンス菌や口腔内生物の増殖を抑える効果があります。
「読む植物図鑑」(川尻秀樹著 全国林業改良普及会刊)より

 シラカバのジュースを飲みたくなりました。どこかで手にはいるかな?
 
posted by mrgoodnews at 00:48| Comment(0) | 植物・鳥・小動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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