2011年05月11日

日本人の静かなパニック

あの日以来始めて会う友人たちには、いつも「そのときあなたは」と言うのを聞くことにしている。というか、こちらが聞くよりも前に勝手に語り出すのが普通である。

そんな中の一つ、ある友人がこんなことを話してくれた。

震災の会った翌日、大きなスーパーに買出しに行った。案の定、いくつかの生活必需品は品薄になっていて、それを買いあさる人たちの姿をあさましく思っていた。
多くのものを買い込んだ人たちがレジ前に長蛇の列であるが、皆静かに順番を待っていた。
ところがなかにあるレジの前にはあまり人が並んでいない。普通だったら底を目ざとく見た人が並びだし、われもわれもと続いて直ぐに他の列と同じように長蛇の列になるのだが、この日は違った。
その列に人が並ばないのである。「レジの店員がこちらにどうぞ」と言っても並ばない。
かれは店長と思しき人に「もっとあの列に並ぶようにお客さんに言ったらどうですか」と言ったのだが、その店長氏いわく「何度か言っているのですが、どうしてもだめなのですね。お客さんもみんな静かなるパニック状態で」
ついに彼はその列にならないレジを閉鎖してしまった。

この話を聞いて、私も思い当たることがあった。

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posted by mrgoodnews at 23:40| Comment(0) | 私の体験から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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