そこには「 Happiness is ......」という「小さな幸せ」の数々がスヌーピーのイラストと共に紹介されていた。
案内のチラシにはその趣旨についてこう書かれている。
本展は、チャールズ・M・シュルツさんの世界的ベストセラー「Happiness is a warm puppy」を五感で味わっていただけるように造り上げたものです。ユーモアを含んだ真実の言葉と、生き生きとした絵の組あわせでつくられたカラフルな絵本の森を迷子になりながら探検すると、知らず知らずのうちに、かれらの仲間になっていることに気づかれるでしょう。どうぞ、会場で小さな幸せをたくさん見つけてお持ち帰りください。
監修:大月ヒロ子(ミュージアム・エデュケーション・プランナー)
「Happiness is ...... 」つまり「幸せとは…………………」についての答えのいくつかがパネルとして紹介されている。
たとえば
Happiness is a thumb and blanket.
Happiness is a warm puppy.
Happiness is gathering witrh your friends over a great meal.
Happiness is sailing with your friends.
Happiness is getting a little dress-up.
Happiness is having a favorite song with your loved one.
Happiness is a stack of books.
Happiness is a fuzzy sweater.
Happiness is having someone to watch your favorite TV show with.
Happiness is your first kiss in the rain.
Happiness is an umbrella and a new raincoat.
Happiness is getting together with your friends.
私はこれを見ながら考えた。
私だったら、どの「幸せ》がもっともステキであるかの参加者の人気投票をする。
「Happiness is .....」についての来場者の答えを書いてもらう。けっこういい定義が生まれるのではないか。できたらイラストも添えられたらいいし、それも来場者の人気投票に加えたらいい。
この展示会の本当の狙いは、ひとりひとりが自分の身の回りに「小さな幸せ」をつくりだしてほしいという願いにあると思うとしたら、ただ見るだけの受け身の参加ではなく、能動的に幸せを見つけ出し、つくりだすところにこそあるのではないか。
ところで、私が「幸福とは…………」を考えるとしたら、次のようなことが思いついた。
幸福とは、助けを求めているひとに助けを与えられて感謝されたとき
幸福とは、決してひとりだけでは味わえないもの
幸福とは、まわりに不幸な人がいるときに、それを共に悲しむこと
幸福とは、冷蔵庫に残っているものだけを使っておいしい料理ができたとき
幸福とは、自分が心配している人の笑顔を見たとき
幸福とは、自分に与えられた喜びをできるだけ多くの人と分かち合えるとき
幸福とは、どうしようもない深みにはまってぬけられなかったときに手を差し伸べて助けられたとき
幸福とは、どうしようもない深みにはまって抜けられなかった人に手を差し伸べて助けられたとき
幸福とは、自分よりもっと恵まれない境遇にあるひとから、励まされたとき
幸福とは、自分の大好きな人から好きですと打ち明けられたとき
幸福とは、自分の嫌いな人から好きですと打ち明けられたとき
幸福とは、笑顔がステキと言われること
幸福とは、悲しむ顔もステキと言われること
幸福とは、自分の軽蔑している人から誉められ感謝されたとき
幸福とは、自分を軽蔑している人から誉められ感謝されたとき
………(まだまだでてきそう)
みなさんも皆さんの「幸福とは………」の答えを探してほしい。きっと幸福で満ち足りた気分をあじわうにちがいない。
これを考えていたら橘曙覧の「独楽吟」を思い出した。
たのしみはまれに魚煮て子ら皆がうましうましといひてくふとき
たのしみはそぞろ読みゆく書(ふみ)の中に我とひとしき人を見しとき
たのしみは心をおかぬ友どちと笑ひかたりて腹をよるとき
たのしみはとぼしきままに人集め酒飲め物を食へといふとき
たのしみは小豆の飯の冷えたるを茶漬けてふ物になしてくふとき
こちらにもあります