1975年から1977年3月まで63回にわたり、当時の朝日新聞日曜版に連載された「遊びの博物誌」ほど、私をして毎週日曜日を楽しみにさせたものはなかった。すべての連載を切り抜いてスクラップしてあり、わたしの「おもちゃコレクション」に今でも多大な影響を与え続けている。
その連載記事を書いていたのは、坂根巌夫といわれる当時の朝日新聞編集委員であった。
最近また、朝日新聞の Be on Sunday に「目の冒険 広がる知覚世界」という名の特集を執筆されている。その肩書きは「エッセイスト」となっているが、インターネットで調べてみると、朝日新聞を退職されてから、1990年4月慶応大学環境情報学部教授、1996年4月国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)学長、2001年4月情報科学芸術大学院大学(IAMAS)学長を歴任されている。
かれは「めくるめくおもちゃの世界」と「科学と芸術の境界線」を追求し続けている人物である。私は、その情報収集能力については及ぶべくもないが、問題意識は彼にも負けないものを持っていたいと願い続けてきた。
この「Good News Collection」のなかのいくつかのページは彼からの情報を加工して作られたものである。私のネタ本となっているのである。
あのころ銀座の MATSUYA GINZA がこれに共鳴してよく特設展示会を催していて、しばしばここを訪れたものである。今ではその面影はないが……………。
最近の BE の連載記事はあのころのようなキレは感じられないが、それでもやはり面白いのである。
もしもう一度大学に入りなおすことができるなら、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)に入学したいものであると思っている。