2006年04月23日

坂根巌夫氏と「遊びの博物誌」


坂根1 1975年から1977年3月まで63回にわたり、当時の朝日新聞日曜版に連載された「遊びの博物誌」ほど、私をして毎週日曜日を楽しみにさせたものはなかった。すべての連載を切り抜いてスクラップしてあり、わたしの「おもちゃコレクション」に今でも多大な影響を与え続けている。





坂根2 その連載記事を書いていたのは、坂根巌夫といわれる当時の朝日新聞編集委員であった。
 最近また、朝日新聞の Be on Sunday に「目の冒険 広がる知覚世界」という名の特集を執筆されている。その肩書きは「エッセイスト」となっているが、インターネットで調べてみると、朝日新聞を退職されてから、1990年4月慶応大学環境情報学部教授、1996年4月国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)学長、2001年4月情報科学芸術大学院大学(IAMAS)学長を歴任されている。

 かれは「めくるめくおもちゃの世界」と「科学と芸術の境界線」を追求し続けている人物である。私は、その情報収集能力については及ぶべくもないが、問題意識は彼にも負けないものを持っていたいと願い続けてきた。
 この「Good News Collection」のなかのいくつかのページは彼からの情報を加工して作られたものである。私のネタ本となっているのである。

 あのころ銀座の MATSUYA GINZA がこれに共鳴してよく特設展示会を催していて、しばしばここを訪れたものである。今ではその面影はないが……………。

 最近の BE の連載記事はあのころのようなキレは感じられないが、それでもやはり面白いのである。
 もしもう一度大学に入りなおすことができるなら、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)に入学したいものであると思っている。


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2006年04月19日

逆立ちごまの不思議

わたしはシンプルな構造で不思議な動きをするおもちゃも集めております。
その種類のおもちゃで傑作は以前紹介したことのある<ラトルバック>と、そしてこれから紹介する<さかだちごま>でしょう。


さかだち1逆立ちごまは、まわすと頭を振ってついには逆立ちするという優れものです。天地がひっくり返るような驚きを感じることでしょう。
民芸品店でひとつ150円くらいで売っています。




さかだち2これがなぜひっくり返るかを説明するのはとても難しいようです。
私にもよく分かりません。
でもだれかが、こういうコマを発見したことは確かです。
ラトルバックもそうですが、だれかがほぼ偶然にこういう形と運動を発見したのに違いありません。
その人を大変尊敬してしまうとともに、私もこういうシンプルな構造や形で不思議な動きをするおもちゃを開発したいものだと思っています。
そのためには数知れないほどの試行錯誤をしなければならないのでしょうが、これは定年後の楽しみの一つです。
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2006年03月23日

空からひらひら落ちてくる

今では禁止されて見ることができないことの一つに「空からのビラまき」というのがあった。セスナ飛行機やヘリコプターからビラをまくのである。戦争中にジャングルにひそむ日本兵に投降を呼びかけるビラがまかれたことは有名だが、戦後もしばらくの間は、禁じられてはいなかった。

何の変哲もない商店の大売り出しのビラが、風に吹かれながらヒラヒラと舞いおりてくるのを見ると、人は(とくに子どもたちは)抑えようもなく追いかけてそれを手に入れたくなるものらしい。私も山の方におりた一枚のビラを川を渡り、がけをよじのぼりして追いかけていき、木にひっかかったものを棒でたたきおとした覚えがある。

朝礼のため小学校の校庭に全校生が集まり、校長先生の話を聞いている時に、その頭上にきてビラをまいたヘリコプターがあった。校長先生は朝礼台から声をからして「列を乱すな。追っかけてはいけない」と叫んだのだが、無駄だった。くもの子を散らすように、そのビラを追いかけていったのである。あるものは木によじのぼり、あるものはとっくみあいをしてうばいあい、あるものは「とった、とった」と自慢していた。

子どもたちが、どうしようもなく、制止の命令をきかずに、本能的に行動してしまう、たまらない魅力が、あの「空から降ってくるビラ」にはあったように思う。
 チンドン屋をどこまでも追いかけていく子どもの姿もこれに似たものであろう。現代においてこのような魅力を持って子どもたちをひきつけるのは何であろうか。
そういえばあの「ハメルンの笛吹き男」が、笛を吹きながら子どもたちを連れ出してしまうのも、あの笛の音が子どもの本能をいやおうなくひきつけてしまうからであろう。

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2006年03月22日

高1ゼミ「飛行物体の研究」報告

隣の学校にもありますが、私の学校でも「高1ゼミ」という授業があります。
10年くらい前から希望者を対象に行っていたが、今は「総合」の授業の一環として全員必修の時間となりました。
私はこの時間に
「パソコンによる創作」
「コラムを書く」
「インターネット研究」
を過去に行ってきましたが、ここ3年は
「飛行物体の研究」
というゼミを行っています。

このゼミでは、他に
「護身術」
「フットサル入門」
「ゴルフ入門」
「伝統文化の研究」
「玉縄城の歴史」
などがあります。

私の「飛行物体の研究」の参加者は今年は9名でした。
5名以上集まらないと成立しないのです。去年は成立しませんでしたが、今年は何とか成立しました。

このゼミで行ってきたことを紹介しましょう。
一部はすでにこのブログでも紹介しています。

1.回転落下(くるくるまわって落ちていく)から回転浮遊へ
2.ブーメラン
3.折り紙飛行機
4.ペーパーグライダー
5.プロペラ飛行機
6.スカイ・スクリュー
7.凧・カイト

他に
ラジコン飛行機、ラジコンヘリコプター
マッチ棒ロケット
ペットボトルロケット、
100メートルもとぶロケット
あたりも考えていたのですが、これは残念ながら時間切れでした。

詳しい内容は、またこのブログで少しずつ紹介していくことにします。

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2006年01月06日

回転落下物体 その3「回転速度を測る方法」

 回転落下物体の回転速度を測る方法はないかとあれこれ考えていたら、デジタルビデオカメラで撮影したらどうだろうかということを思いついた。
 デジタルビデオカメラは1秒間に30コマを撮影するのだそうであるから、羽に目印を付けておいて、1回転するのに何コマ、あるいは10コマで何回転するかを測れるのではないかと思ったのである。
上からデジタルビデオカメラで撮影し、それを Mac の iMovie で読み込めばコマ数が表示されるので、いけそうである。

 そして実際にやってみたら、成功!

 そのような形状の回転落下物体がもっとも回転が速いのか、これはおもしろい結果が出そうである。
 羽の幅や長さ、重さ、そして形状によってどのような違いが出てくるのであろうか。
 それについての結果はいずれまた報告することにしよう。

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2006年01月05日

回転落下物体 その2「もっとシンプルな1枚羽根」

もっとシンプルな「1枚羽根回転落下物体」があります。
これはこの実験を私の勤務校の隣のE学園で高1男子生徒を対象にしたときに、E学園のI先生から教わりました。


1枚羽根2
2センチ×4センチくらいの長方形の紙を図のように人差し指と親指で挟んでもち、それを短い辺にそって回転を与えながら離すのです。そうするとくるくるまわって落ちていきます。
ただし回転方向は、前の「カエデ型1枚羽根」が水平方向に回転したのに対して、こちらは垂直方向に回転します。そして落下方向も垂直ではなく、斜めに落ちていきます。

【応用・工夫】
 これも回転を速くするにはどうしたらいいかいろいろと工夫できます。縦横の長さ、重さ、材質などを変えて実験するといいでしょう。
あるいは紙に折り目を入れて少し角度を与えて上げるとどうなるか、興味深いところです。

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2006年01月04日

回転落下物体 その1「1枚羽根」

 高1ゼミ「飛行物体の研究」シリーズの第1弾は「回転落下物体 くるくるまわって落ちていく」です。

 モデルは「カエデの種」ですが、これには「1枚羽根」「2枚羽根」「4枚羽根」「イソギンチャク型」とあります。
 簡単に作れてすぐに実験できます。シンプルだけれど科学的で奥深い遊びです。
 目標は、できるだけ早く回転してゆっくり落ちていくものを作ることです。


一枚羽【作り方】
 まず「1枚羽根」です。これは折り紙を使うとよいでしょう。折り紙を図のように切り、太い部分を丸めてセロテープで留めます。これで完成。

【飛ばし方】
 飛ばし方は、羽を水平にして指を話して落としていけば、落とした地点から30〜50センチくらいのところから回転して落ちていきます。不思議です。

【工夫・応用】
 翼の幅と長さはどのくらいにしたらいいか、おもりはどこにつけてどのくらいにしたらいいのかなどなどをいろいろと工夫できます。
 こういう形でなくても、カエデのような形にしておもりの部分をいろいろなところにおくと、回転して落ちていくはずです。
 両面折り紙にするとキレイにまわるし、翼にいろいろと模様を書いてみるといいでしょう。
 軸の部分と翼の部分に少し折り目を入れてやると、手を離した地点から回転し出すまでの「遊び」の長さが短くなるようです。
 紙の材質を変えてみるのもおもしろいでしょう。軽くて薄い紙、ちょっと厚い紙、あるいは材質をスチレンペーパーにしてみるのはどうでしょうか?

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2005年10月12日

指にはめたまま作業ができるちっちゃなハサミ


2005101287d1538b.JPG100均ショップでこんなものを見つけました。

「指にはめたまま作業できるちっちゃなハサミ」です。
いちいちハサミをもったり、おいたりが面倒なときに使えます。

こんなものまであるのですね。
感心しました。

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2005年07月27日

アルキメデスの揚水機


200507274e3e3924.JPGアルキメデスといえば「アルキメデスの原理(浮力の原理)」や「エウレカ!(わかったぞ!)」という言葉で有名な、ヘレニズム時代の天才的科学者である。

彼の生き方についてはまたいずれ述べたいと思うが、ここでは「アルキメデスの揚水機」について紹介したい。
彼の発明品の中で、これはピカイチだと思う。
これを見るたびにどうしてこれで水があがっていくのか不思議に思うとともに、この発明のすごさに圧倒する。

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2005年06月01日

おもちゃの傑作 ラトル・バック


200506016c2240d6.JPG私は科学的なおもちゃのコレクションもしています。シンプルな形と構造で不思議な動きをするおもちゃを集めています。その中でも傑作中の傑作がこれです。

ラトル・バックと名付けられていわれるもので、これは「頑固な亀」という名のロシアのおもちゃです。
この小さいボートは、亀さんがむいている方向にしかまわらないのです。亀さんの向きと反対方向にまわしてみると、ボートはがたがたとふるえて、嫌々をするように反対方向に反転するのです。

実に不思議です。
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