2013年02月01日

SNSと福音宣教 第17回「教会とインターネット」セミナーへどうぞ

SIGNIS Japan というわたしの属しているクリスチャンのグループが、下記のように第17回「教会とインターネット」セミナーを行います。
SIGNISは、キリスト教の福音宣教のためにメディアをどう使ったらいいかについて、研究しているカトリック教会の国際的なグループです。
SIGNIS Japan の現在行っている大きな活動は、カトリック映画賞の選定と「教会とインターネット」セミナーの開催です。その他にも教会ホームページの作成支援や映像で福音を発信するということを試みています。

1.2月23日〔土)午後2時〜6時まで
2.会場 東京カテドラル ケルンホール
3.テーマ SNSと福音宣教

詳しくはここをどうぞご覧ください。

福音を伝えるために、Twitter や Facebook をどう使ったらいいのかということについていっしょに考えてみたいと思っています。
近いうちにこのブログ上または Facebook 上でもみなさんのご意見やお考えを伺ってみたいと思っています。
とりあえずは、まず私の方からの第一報です。



こちらもどうぞ
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2010年05月26日

ブログやツイッターが活躍したとき

 アイスランドの火山噴火で欧州の空路が途絶していたとき、ブログやSNS、ツイッターが大活躍をしたというニュースを読んだ。(4月23日毎日「金言」)
 輸送手段や宿泊の提供を申し出たり、空席のある車と同乗したい人との出会いをつくり出す役割をしたという。

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2007年02月09日

眼鏡屋さんの誕生日情報

 高校で教科「情報」の教科書編集をしていたときに、こんな話しを紹介した。「情報の生かし方」についての話しである。

 顧客管理をしっかりしている商売というのがある。その一つは美容院、そしてもうひとつ眼鏡屋さんである。いずれも固定客を大事にしている商売である。一度来た客がまた来店する可能性が高いからである。リピーターが多いということか。

 眼鏡屋さんはお客さんの誕生日をききたがる。なぜだろうか?
 この答えを知るためには、お客さんがいつ眼鏡を新調するのだろうかということを考えてみたらよい。
 それは運転免許の更新のときなのである。運転免許更新のときに視力検査があり、その前に眼鏡を調整する必要が出てきて、眼鏡屋さんをおとずれることが多い。
 そして運転免許を切り換える時はいつかというと誕生日なのである。
 だから眼鏡屋さんは誕生日の前になると、ダイレクトメールを送りつける。
 そのためにはいつが誕生日なのかをしっかりと把握しておかねばならない。

 こんな話しもある。
 政治家は物故者名簿を大事にする。その人がいつなくなったかを載せてある名簿である。
 命日近くなると、葉書を出す。「命日近くになって○○さんのことを思い出しました。生前、大変お世話になりました。」というような内容である。
 遺族の人は、故人がこんな政治家とつきあっていたのかと驚き、かつ命日をおぼえていたことに感激し、次の選挙ではその政治家に投票するというわけである。
 別につきあいはなくとも故人は語らずである。

 情報も生かしようで価値が出てくるという話しである。

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2006年11月06日

こんなことができるソフトがないかな?

 私は以前「情報教育」を担当していました。
 1993年にコンピューター教室が作られ、そのとき導入したのは Macintosh でappletalk というネットワークが標準で装備されていました。
 教室内のMac 25台がネットワークでつながれていたので、これを使って何か面白いことができないかと模索していた時に、こんなことができたら面白いなと思ったことがあります。
 これは、残念ながらそういうことを可能にするソフトが見つからず、実現には至らなかったのですが……………。

 LOGOというソフトがありました。これは簡単なコマンドを入力して画面上の「カメ」を動かしながら、図形を書いたりするソフトです。なかなか面白いソフトでした。
 このカメをスクリーン上に繋がっているパソコンの数だけ投影して、それぞれのカメを自分のパソコンからコマンドを入れて、動かすことができるそういうソフトです。

 これを使って、ネットワーク上で「鬼ごっこ」をしたり、サッカーをしたりできないか、そういうソフトができたら面白いのではないかと思ったのですね。
 ネットワーク上の鬼ごっこはルールは簡単です。自分のカメにほかのカメが重なってしまったら、鬼になるというのが「鬼ごっこ」です。ほかのカメから逃げ続けると同時にまたほかのカメに重なってしまえばよいというわけです。
 これをどういう戦術でいったら勝つことができるのか?を考え出すところが面白いのですね。マウスで動かしながらするのもいいのですが、そうするとネットワーク上のトラフィックが多すぎてすぐにシステムがダウンしてしまいそうです。そこでコマンド方式でコントロールした方がいいように思えます。

 このほかにもいろいろな遊びが考えられます。「鬼ごっこ」や「缶蹴り」「手つなぎ鬼」「サッカー」などから「軍事将棋」みたいなこともできるし、遊びを考え出すところも面白そうだし、それぞれにゲームに勝つための戦略や戦術を考えるのも面白そうです。
 サッカーをネットワーク上でするくらいなら、外へ出て体を動かしてサッカーをするほうがずっと健康的で面白いのではないかとも思うのですが……………。

 でも「これをやってなにになるのだ? なんの役に立つのだ?」「そもそもこれって情報教育なのか?」という疑問には応えられませんでした。
 本当は「こういうことをできるようになる」ことから「情報教育」のおもしろさが生まれてくるのではないか、と私は今でも確信しています。

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2006年05月17日

オンライン・ディベートの試み

「100校プロジェクト」のなかで、私たちが試みた最大のイヴェントは1998年11月から2ヶ月にわたって行われた「オンラインディベート」であっただろう。
 これは家庭科の授業の一環として、メールやチャットソフトを使ってディベートを行うという試みであった。
 まず「100校のメーリングリスト」を使って相手校を探したところ、3つの高校がこれに応じてくれたところから始まった。

 次にテーマを決めたが、これは「家庭科の授業」で扱っている以下のようなテーマに決まった。
 テーマ1 将来、結婚するとして、結婚後、夫婦同姓、別姓どちらがよい?
 テーマ2 離婚における破綻主義は認められる。
 テーマ3 高齢者となった親と同居したほうがよいか。
 テーマ4 大学生での妊娠、産むほうがよいか、産まないほうがよいか。
 テーマ5 子供が産まれた!それまで夫婦ともフルタイムで働いてきた。この場合、妻は


OnD
 そしてそれぞれのテーマに5チームが同時に対戦を行い、全部で44チームが「オンラインディベート」に参加した。
 まず「立論」を相手チームあてにメールで送り、それを読んで相手チームは質問事項を考える。この質疑応答をチャットソフトを使って行ったこともある。
 そして「駁論」を相手チームに相互に送る。

 それぞれがどのような主張を展開したかという内容はすぐにホームページに公開された。
 これが「オンラインディベート」である。
 このプロジェクトの感想については改めてまた紹介するとしよう。
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2006年05月16日

クラス日誌をホームページで公開

「100校プロジェクト」が1995年に始まり、まず最初にしたことは学校ホームページの開設だった。神奈川県の中学や高校では2〜5番目の開設という早さであった。写真と文字によるホームページで、HTMLをエディターで書き上げていくという飾りもデザインもない素朴なものであった。


hyoushiそして1996年、わたしはそのころ高2の担任であったので、自分のクラスのクラス日誌を公開してみようということになった。
 クラス日誌は、日直の生徒が一日の記録として毎日ノートに書く。授業の様子やクラスの雰囲気、一日の感想などが書かれているのだが、これを週末に持ち帰り、1週間分をまとめて私がHTMLにしてサーバーにアップロードするということをやり続けた。
 できるだけ生徒が書いたものをそのまま載せた。中には生徒が学校のすることに文句を言ったところとか、担任がした失敗とか、これ載せたらまずいかもと思われるものもあったのだが、できるだけそのまま載せた。
 これがよかったのだと思う。このページはけっこう読まれたようである。何よりも学校の飾らないありのままの姿が現れているところがよかったのだと思う。これよりもよい学校紹介はないのではないかと思うくらいである。

 よく読むとこの担任の学級運営のまずさや、生徒がそれに不満を持っているところなども読みとれてしまうのであるが、そこは恥を忍んで書き続けた。

 学校のホームページは2002年9月にリニューアルされて、公式ホームページとなった。今までは一部の教員が「趣味でやっていた」ホームページであるとして、廃止されてしまった。せめてアーカイブとして残しておいてほしかったのだが、それはかなわなかった。
 だから、残念ながら、今ではこのクラス日誌は見ることができない。新しいホームページは見栄えはよくなったが、生徒たちのありのままの声を反映したところがほとんどない。つまりつまらなくなってしまった。

 ホームページというものは、どこもこんなふうに展開するものなのだろう。はじめは、試行錯誤で、手作りで、それを作る担当者たちの個性がよく表れていたが、だんだんそれが問題視されて、公式的なものになっていくとともに、特徴が失われ、個性がなくなっていく。

 わたしのつくったクラス日誌のページを、クラスの生徒たちは「あれは担任が趣味でやっていること」として無関心を装っていた。まだ家庭で簡単には見られない時でもあったことも幸いしてか、生徒から問題視されたことはなかったし、これがおもてだって話題になったこともなかった。
 一番喜んでくれたのは、単身赴任している生徒のお父さんたちであったようだ。「毎週楽しみにして見ています。」という声を直接にあるいは生徒を通して間接的に何度か耳にした。私のクラスよりも同じ学年の他のクラスのお父さんが多かったのかもしれない。

 このような大胆のことは今やれといわれてもできないし、またしないであろう。あれはインターネットの怖さを知らない時のことであったのだから。
 このようにインターネットの草創期のおもしろさを体験できたことは、かけがえのないことであった。ああいう時代はもうしばらくやってこないであろう。
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2006年05月12日

無限音階の不思議

 学校に Macintosh がやってきたときに、一番最初にぜひやってみたかったことが、音楽の自動演奏ソフトを使って「無限音階」をつくることであった。
 「無限音階」は坂根巌夫著「遊びの博物誌」(朝日新聞社刊)で紹介されていたし、NHKFM の「日曜喫茶室」でも紹介されていたので知っていた。

「遊びの博物誌」によると

 
聞こえてくるのはごく当たり前の電子音で、ドレミファソラシドの音程を一つずつあがっていくだけの単純な演奏。ところがこの音程がいくら上へ上へとオクターブの階段を上がっても、いつまでたっても々あたりをさまよっている漢字なのである。

 このレコードの話しで、あのオランダの版画家 M.C.エッシャーの「無限階段」の絵を思い出す人もいるだろう。


とある。
 これはいかにもパソコンで演奏するにはもってこいのものである。
 さっそく、Mac の音楽自動演奏ソフトであった「Super Studio Session」を使って、音譜を貼り付け自動演奏させてみた。
 これがなるほど不思議な感じである。

 私はさっそく、「学校に Macintosh がやってきた」を紹介する全校放送でこの「無限音階」を紹介した。パソコンでこんなこともできるということで紹介したのである。

 本当はこのBLOG で音声を流すことができたら、今すぐにでも紹介したいのだが、それはできないようなので、ホームページで「無限音階」を検索してみたら、いくつもヒットするからそちらで聞いてみてほしい。

 「遊びの博物誌」によるとこの「無限音階」は「あちらでは眠れない人のための自己催眠の補助手段や、瞑想的境地をえるためのバックグランド・ミュージックとしても使われている」と書かれている。

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2006年04月13日

Kidpix の落書き集

 学校に Macintosh がやってきた頃、生徒達は Kidpix によるお絵かきに夢中になっていた。
 私も Macintosh が学校にやってきて一番使ってみたかったのは、この Kidpix と音楽ソフト Super Studio Session であった。
 いろいろな色や模様を自由に簡単に描けて、すぐに消すことができるというのはたまらない魅力であったのである。
 美術の先生からも音楽の先生からも、これは白い目で見られていたが、生徒たちもこんなに夢中になるくらいであったから、それを生かさない手はないと私は思っていたのだが。

 生徒たちがあれこれとイタズラ書きをしてデスクトップに散乱している Kidpix や Super Studio Session のファイルを開いてみて、これはと思うものをMO に保存しては消していた。
 そのなかにこういう絵があった。本当はここでその絵を開ければよかったのだが、どこにしまい込んだか分からず、それができないのが残念である。
 それは暗い寒い夜にマフラーをした女の子が手に白い息を吹き付けて「寒いね」と述べている図であった。
 この絵は、想像するに濃紺のバックに白でスプレーを使って吹き付けた絵が先にできて、あとからこの場面設定をしたに違いないのである。
 お絵かきの道具を使ってあれこれ書いているうちにこういうデザインが生まれ、それに当てはまる光景に当てはめて描いたものなのである。先にこの構図ができて描いたものではないだろう。

 こういう描き方は、手で描く絵にはできないだろう。まさにCG的な発想ではないかと思う。
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2006年04月10日

ネットワークを使ってできること

 Macintosh が学校にやってきたとき、appletalk というネットワークが標準で装備されていたので、これを使って何かできないかなと考えていました。

 最初に考えたことは、「みなが一斉に書き込める黒板」でした。
「さあ、これについて意見を書いてみよう!」と生徒にいうと、生徒達が一斉にキーボードをたたき送信するとそれが大画面と自分の画面に書き込まれるというソフトがないかと探しました。
 で、見つからなくて、私はある情報教育ソフトの開発グループに提言してそういうソフトをつくりました。「共同学習支援システム」という名のものです。
 でも appletalk は遅くて、すぐにフリーズして止まってしまったり、なかなか使い物になりませんでした。
 今では、チャットソフトを使えば簡単にできるようになっています。私はこれも試みたのですが、この結果が面白かった。これについてはいずれまた報告しましょう。

 次に考えたことは、データベースをみなで構築していくことです。一つのデータベースを手分けして入力して構築し、できあがったものをみなで使うという発想のものです。
 これはそういうデータベースソフトがなくてなかなか実現できませんでした。

 LOGO を使って簡単な図形文様を書くということはよくやりましたが、その時に考えたことです。
 LOGO という言語は「カメ」をプログラムで動かしていくソフトです「くりかえす 4(まえへ 10 みぎへ)」とプログラムすると正方形が書けるというソフトです。
 このカメを共有のスクリーンに何匹も映し出し、それぞれのパソコンからコントロールできたら、いろいろなことができるのではないかとおもったものです。「鬼ごっこ」「サッカー」「かくれんぼ」「てつなぎおに」「かんけり」など子どもが路上でしていた遊びをパソコンのネットワーク上でできたら面白いと思ったものです。
「鬼ごっこ」はどのようにしたら敵をつかまえることができるか、どうしたら捕まらずに逃げ回れるかを考えなければなりません。これはけっこう頭脳的なゲームだと思うのです。

 みなで共同で絵を描くというのも面白いと思ったものです。人が書いたものを「消しゴム」で消してしまうこともできるし、書き変えてしまうこともできる。でもこの機能を使うとすぐにケンカになってしまいそうです。やっていくうちになにかルールが必要だと思い出すでしょう。そのルールとはどのようなものか?考えてみると面白いですね。

 でもある同僚の先生にいわれました。「こんなことをやってなにになるんだ?」
 みなで一つの絵を仕上げていくということを体験できたら、協働作業の本質を身につけることができるかもしれません。

 これらの多くは今では実現できるでしょう。あのころはそのためのインターフェースがなかったので、自分で作るしかなかった。



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2006年04月04日

学校に Macintosh がやってきたころ

 学校に Mac が設置されたのは1993年11月でした。
 中学2年生に「情報基礎」の授業がはじまったのは1994年4月からでした。それまではその他の学年を対象に、パソコン講座を冬休みとか土曜日とかを使って行いました。パソコン講座に来る生徒はそんなに多くはなかったのですが、コンピューター教室は徐々に来る生徒が増えてきました。そのうちに常連組が形成されます。

 最初に常連組となったのは、イラスト研究会の生徒達でした。Kidpix というソフトを使って彼女たちはお絵かきに夢中となりました。

 そして次に常連組となったのは、なぜか器楽部(現管弦学部)ビオラパートの生徒達でした。最初は、音楽ソフトを使って楽譜をつくるとかいう目的ではじまったようです。先輩が後輩を連れて教えていました。結局はゲームをしていましたが。

 コンピューター教室は最初はなにをしてもよかったのです。私にはなにをしてもいいからとにかくパソコンを使ってほしかった。コンピューター教室に鍵をかけるのだけはやめようと思っていました。
 でもそのうちに誰が持ち込んだのか、ゲームがはやり出しました。「ぷよぷよ」とか「SNOOZE」とかいうゲームソフトが蔓延し出しました。さながらコンピューター教室はゲームセンター化してきたのです。
 生徒達はいつの間にか、ネットワークを使ってゲームソフトをコピーすることを覚えてしまいました。ネットワークを使えるなんてなかなかやるなと思って、最初は大目に見ていたのですが、生徒指導部が問題視するようになって、対策を講じることとなりました。
 ともかく、パソコン上にあるゲームソフトを駆除することにしました。ゲームソフトは見つけ次第「ゴミ箱」ゆきとなりました。生徒達との「いたちごっこ」がはじまったのです。ちえくらべです。
 生徒達も、ゲームソフトをどこかのフォルダーに隠すようになりました。「でも検索すれば見つかるもんね」といいながらそれを見つけては消して行きました。
 そのうちに検索にも引っかからないように、名前を変える、さらには不可視ファイルにしてしまう、自分のフロッピーディスクにゲームソフトをかい出すなどなど生徒達もいろいろな知恵を巡らすようになったのです。

 こうやって「いたちごっこ」をしながら、コンピューターリテラシーを身につけるのも悪くないかななんて思いながら、ゲームソフトを駆除していたわけです。すると同僚にいわれました。「それってハッカーを育てることにならない?」って。

 こんな生徒もいました。「見るな」というフォルダーがあったので開いてみると「見たな」というフォルダーがあり、さらにそれを開くと「見るなといっているのに」というフォルダーがあり、以下「いいかげんにしろ」「先生に言いつけるぞ」「あんたも好きね」「しつこい」とかいう名前のフォルダーが次々に現れるのです。ついにデスクトップがフォルダーだらけになってしまいました。

 私はこんな生徒の「イタズラ書き」「落書き」を集めては「落書き集」「デスクトップ散乱ファイル」「捨てるファイル」とかいう名のフォルダーをつくってはそれにためていったりしました。
 私もこういうことをしたら生徒達はどう出るか、とこういうやりとりを楽しんでいたのです。牧歌的な時代でした。
 ところがインターネットに繋がるようになって、様変わりしていきます。
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2006年04月03日

情報教育の草創期の経験から

 私は1985年に今の学校にきたのですが、そのころすでにこの学校にはOLIBETTY というイタリアのタイプライターで有名なメーカーのパソコンがあり、それで成績処理をしていました。このパソコンは1行しか液晶のディスプレイがなく、感熱紙のプリンターが付いていて、BASIC で動いていました。ずいぶん先進的な学校だと驚いたものです。

 私がこの学校にきた時の最初の仕事は、この成績処理を漢字で打ち出すことができるものに作りかえることでした。私はコンピューターの専門家でもなく、ただ前の仕事をしていたときに、オフコンのセールスをやっていたということだけで、この仕事を任ぜられたのです。
 当時、NEC の PC9800 がようやくビジネスに使われるようになったころでした。でも、私は「成績処理プログラム」をdBase というデータベース言語で IBM5500 という機種でつくりました。もちろん私がプログラムを作ったのではなく、九州にあるソフトハウスに制作を依頼しました。
 この成績処理システムは20年たった今でも動いていますが、そろそろこれも限界だということで、再びこのシステムのリプレースの担当となり、現在システムを新しく作り直しています。
 私もそろそろ定年を迎えます。いわゆる「2007年問題」の1期生となりますが、考えてみたら、私の教員生活は「成績処理システム」に始まり、「成績処理システム」に終わるのかもしれません。

 成績処理システムが完成したとき、私の学校では、1993年にコンピューター教室をつくり、情報教育を始めようということになりました。私はまた、なぜかそのプロジェクトの推進者となりました。それから10年間「情報教育」を担当しましたが、ここにもたくさんの Good News が詰まっています。それをまた少しずつここで報告することにしましょう。

 まずは、機種選定の話しから。
 情報教育がはじまるにあたり、まず機種選定の委員会が生まれました。まだ Windows が影も形もなかったころです。NEC の PC9800 とかいう機種が本命で、FM-TOWNS とかいう機種が対抗馬でした。ところがこの選定委員会はいろいろな調査をして、結局 穴馬Macintosh を選んだのです。校内にマックユーザーは誰もいなかったにもかかわらず、これを選んだという「無謀な選択」でした。私もあわてて Macintosh を購入し、にわかユーザーになったのです。この時以来、今でも Mac の愛用者です。
 でもこの GUI というインタフェースの使いやすさ、そして標準でネットワークを装備していたという魅力は女子校にとってはたまらない「胸をときめかす」魅力でした。
 いまでも Macintosh 25台がコンピューター教室に据えられたときの、生徒達の興奮が思い出されます。

 次のエポックは、1995年のことです。文部省が「インターネット100校プロジェクト」をうちあげ、プロジェクト校を募集していることを耳にして「これだ!」と思う教員が3人で応募したところ幸運にも入りました。インターネットのなんたるかをほとんど知らなかったし、コンピューターの専門家もまったくいないままの素人集団によるまたまた「無謀な選択」であったのですが、学校にインターネットがひかれ、翌1996年には学校ホームページを開設しました。

 草創期というのは、ハラハラどきどき、胸をときめかすような体験がたくさんあるものです。その魅力も危険性もまったく判らないままのスタートだったのですから、本当に「無謀」というか「こわいものしらず」というか、でした。
 でも、この時代を生徒達とともに経験できたということはかけがえのないものとなっています。

 その後、1998年には、機種のリプレースがあり、あの iMac となって、第2世代機となりました。これも生徒達の興奮を呼びました。
 私は(これもなぜか判らないのですが)某教科書会社から引き合いがあり、高校の新教科「情報」の教科書づくりに参加し、その執筆者のひとりとなりました。
 そして皮肉なことに教科書はつくったけれど、新カリキュラムによる「情報教育」が本格的にはじまった2003年には、ついに機種が Windows となり、そして学校ホームページも全面的に更新され、私は「情報教育」担当をはずれました。私にいわせれば、普通のコンピューター教室、普通のホームページとなり、生徒達の興奮も消えてしまいました。

 私は本来「倫理」や「宗教」を教えるのが専門であったのですが、「情報教育」という「わきみち」にしばしそれてしまったわけです。でもこの「わきみち」は、なんどもいうように「胸をときめかす」体験でした。この時代を最先端で生きてきたような自負があります。

 その具体的な体験のなかみは、また少しずつ書いていきたいと思います。

 
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2006年03月01日

growingupdigital のネチケット

アメリカのデジタルキッドのためのサイトである growingupdigital のトップページに以下のような「ネティケット」の文章が載っている。

You know the rules of Netiquette and you are expected to observe them here. It all comes down to the golden rule: "Treat other people as you would yourself be treated."

You are entitled to express your opinion
You are entitled to an audience
You are expected to learn
You are expected to teach
You have a right to disagree
You have a right to respond
It is your privilege to change your mind
It is your privilege to remain silent

http://www.growigupdigital.com



参加する以上、君はネチケットの規則は分かっているはずだ。
要は「人にしてもらいたいと思うことはなんでも、あなた方も人にしなさい」という黄金律を守ればいいのだ。

君には、自分の意見を述べる権利がある。
君には、他人の意見を聞く義務がある。
君は、学ぶよう求められている。
君には、反論する権利がある。
君には、答える権利がある。
君には、意見を変える権利がある。
君には、沈黙する権利がある。


「デジタル・チルドレン」ドン・タプスコット著
橋本恵子訳 ソフトバンク 91頁より


 ネティケットというと「ネット上のエチケット」という意味の造語だが、普通これは「何をしてはいけない」という否定形で語られることが多い。しかし、このサイトではまったく異なったネチケットを掲げている。これがとても斬新であった。
 しかも、ネチケットの基本はあの「愛の黄金律」であるというのだ。
 私が「情報教育」を担当しているときにこのネチケットを紹介したものである。
 まだこのサイトはネット上に存在するが、今は生きていないようである。子どもたちはみなこのサイトから巣立っていったということかもしれない。


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2006年02月27日

手回し発電機付きパソコンの開発は Good News なのだろうか?

 かつて、私が「情報C」の教科書の執筆に加わっていたときに、教科書に「衛星通信を通じてインターネットにアクセス可能な手回し発電機付きパソコンが飢餓と貧困にあえぐ砂漠の村にやってきた。さてこれをどのように使って飢餓と貧困の問題の解決に役立てられるのか」という問題を掲載しようとした。これこそ「情報教育の究極の課題である」と考えたからである。


手回しPC その究極の課題に応えるPCが、MITのネグロポンテによって発表された。かれはかつてメディア・ラボにおいてパソコンの教育利用についてさまざまな可能性を提案したことで知られている。
 MITと同氏が主催する非営利団体「One Laptop Per Child(子どもひとりに1台のパソコンを)」は、子供たちに最大1500万台のテストシステムを提供すべく、ブラジル、中国、タイ、エジプト、南アフリカの5カ国と交渉中だという。
 かれは言う。「これは自分の人生で最も重要な仕事だ」「これまでの反応は素晴らしい。その狙いは単純なものだ。これは教育プロジェクトであり、ノートPC製品の開発プロジェクトではない。小中学校を中心に教育環境を改善できれば世界も良くなる」と。
 このプロジェクトの目標は、低価格PCの概念を、Linux OSや無償オンライン百科事典「Wikipedia」のような、広範な草の根運動に変えることにあるという。「言うなればオープンソース教育だ。これは重要な問題だ」
 提案されたマシンは、500MHzのプロセッサ、1Gバイトのメモリ、そして革新的なデュアルモードディスプレイの搭載が提唱されている。フルカラーモードと、太陽の下でも見える白黒モードという2つのモードで使えるこのディスプレイの採用で、同マシンは「電子ブックにもノートPCにもなる」と、彼は説明した。
 1年以内に用意する最初の500万〜1500万台のテスト機の開発に関し、Google、Advanced Micro Devices(AMD)、News Corp、Red Hat、BrightStarの5社がMITに協力していることを明かした。現在の計画では2007年までに1億〜1億5000万台を製造することになっていると、同氏は述べた。

 さて、このニュースは本当に「Good News」なのか?
 そして、これはどのように、国家や地域の経済行動をかえていくのか?   
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